映画探検隊

はじめに

 若い人たちによく「オススメの映画を教えて下さい」と言われる。

 だが、この答えは簡単ではない。

 何故なら、問うた相手がどんな映画を見たがっているかによって、答えは変わってくるからである。

 自分の好きな映画なら、いくらでも挙げることはできるが、それはこの問いに対する答えにはならない。

 僕にとっての「面白い」映画が、相手にとっての「面白い」映画とは限らないからだ。いや、むしろ、「面白いと言われて見たけど、全然面白くなかった」と言われる可能性のほうが高い。

 自分が「面白い」と思う映画は、自分で見て決めなければならない。決して、人に聞くものではない。

 だが、どこから見始めればいいかわからないという人も多いだろう。

 適当にランダムに見ていけばいいのだが、それだともの凄く効率が悪くなる。

 僕の若い頃には、名画座というものがあった。2本立てとか3本立ての上映で、ある映画を目的に見に行ったのに、併映作品のほうが好きになったというケースも多々あった。

 今、一番問題なのは、情報量ばかりが多くなって、逆にこういうふうに「たまたま出会うチャンス」というのが少なくなっている気がする。

 ネットは、知りたいことをキーワードで検索するシステムであるために、自分の知りたいことを深く深く掘っていくのには適しているが、広く浅い情報を探すのには向いていない。

 自分が面白いと思う映画を見つけるのは、一種の宝探しのようなものである。

 いつ、どこで出会うか、わからない。

 その稀有な出会いを求めて、わずかな手がかりを元に必死に探し続ける宝さがしである。

 では、その手がかりはどうやって見つけるのか。

 僕がずっとやってきたのは、言ってみれば「知識のしりとり」のようなものである。

 一つの情報から、それに関連する別の情報へ飛んで、そこからさらに別の情報へ飛ぶ。

 そうやっていくと、最初の情報からは遥かにかけ離れた思わぬ情報にたどり着いたりする。

 その見本となるようなことを、ここで展開してみようと思う。

 ここで示した手がかりが、あなたのための手がかりになることもあるだろうし、ここで示した方法論を参考に自分なりの探し方を見つけるかもしれない。

 いずれにしても、いつの日か、あなただけの素敵な宝が見つかりますように。

 

大沼弘幸

 

探検目録